聖は秀美の耳を食んだ。
「っ・・」
秀美の身体がピクッと反応する。
「秀美・・」
秀美は恐る恐る顔を聖の方に向けた。
「もうその辺にしてくれないかな?」
聖の背後から突然の声。
「なっ!!」
聖はバッと振り向くと、呆れたような顔で腕を組んでいる長身の美形が立っていた。
秀美は息を呑んだ。
「兄貴っ!何で?・・今日は帰ってこないんじゃ?」
聖は秀美を後ろに隠しながら叫んだ。
「何隠してるの?・・聖の友達かな?上がっていきなよ、ね?」
焦る聖を退け、兄貴と呼ばれた人は秀美の手を取った。
秀美はその手に見入った。
白い肌、細くて・・長い指。
それは”彼“だった。
「うわっ!!」
ぼーっとしている秀美の手を引いた彼は、秀美の耳に顔を近づけた。
そして。
―やっと会えたね
秀美にしか聞こえない小さな声でそう囁いた。
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