ずいぶんゆっくりだったね。待ちくたびれたよ。どうせなら一緒に入ればよかったかな?」
叶は開いていた雑誌を閉じ、ソファーから立ち上がると秀美を抱き寄せた。

「俺もシャワー浴びてくるから待ってて。」
秀美を離し、すれ違い様に耳を食んだ。

「ん?何?」
秀美はとっさに叶の服の裾を掴む。
せっかく覚悟をしたのに。時間が空いたら萎えてしまいそうだった。


「・・・シャワーはいい・・・です。早く。」
顔を俯けたまま弱々しい声音で呟いた。

「淫乱な子だな。秀美は。シャワー浴びる時間も待てないの?」
叶は秀美の顎を持上げて目を覗き込んだ。
秀美は目を会わせられず目線だけを逸らす。


「秀美。こっちおいで。」
叶は優雅に秀美の手を引いてベッドへ座らせた。

「緊張してる?大人しいんだね。聖にはあんなに饒舌なのに。」
「ちっ・・ぅっ・・はぁ」
違うと言い掛けて、口を塞がれた。
叶の舌が秀美の唇を舐め、口を開けと誘う。

「ぁっ・・かな・・さっ・・」
唇を合わせる角度を何度も変えて、キスが深くなっていく。
秀美の口からは溶ける様に甘い声が漏れた。

「綺麗だね。秀美・・汚れていない目だ・・。」
叶は秀美の目をじっと覗き込む。
何を見ているのだろうと秀美もじっと叶を見つめた。


キスをしながら秀美のバスローブの紐を解いた。
叶の手が滑り落ちていく。



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